監督官庁の事業目標

上水道 厚生労働省

1.「水道ビジョン」 (厚生労働省健康局平成16年6月)

1)水道ビジョンができた背景と目的

 ・横浜に近代水道が出来て110年、水道法制定から半世紀
   20世紀に建設された水道施設の多くが老朽化が顕著となり施設の大幅な更新が課題
 ・人口減少時代に突入
   人口減少は配水量の減少、そして収入減へと向かう
 ・グローバリゼーションの波が打ち寄せ始めている(水道サービスの国際標準化)
   民営化、第三者委託、広域化という新たな選択肢の中から、その事業体に適した様々な運営が可能
 ・ 水道界の若年技術者が減少していて、水道文化や技術の継承が困難な状況にある
 このように水道を取り巻く環境が大きく変化している中で、平成16年6月に厚生労働省では、「水道ビジョン」を策定し、今後の水道に関する重点的な政策課題と、具体的な施策および方策、工程を示しました。目標期間は概ね10年です。

2)長期的目標(政策的課題)

 「水道ビジョン」は「世界のトップランナーを目指してチャレンジし続ける水道」を基本理念に、「安心」「安定」「持続」「環境」「国際」の5つの政策課題としている。

@ 安心:全ての国民が安心しておいしく飲める水道水の供給・・・第1の目標

 水道水は市民の口に入るという意味で、食品に当たる水を製造、運搬、貯蔵、販売する機能を有しています。水道水源から給水栓に至るまで、徹底した衛生管理を行えるよう、統合的な水質管理を実現します。

A 安定:いつでもどこでも安定的に生活用水を確保

 今や水道は市民生活や産業活動に、欠くことのできないものとなっています。そのため、
1)施設がその機能を十分に発揮できるよう、計画的、効率的な施設更新を実現する。また、渇水時でも水供給の安定化を図り、地震時・停電・水質事故時等の非常時でも、施設への被害を最小限に抑えるための施設整備を推進します。
2)災害に伴う施設の損壊、水道管の破裂事故が発生した場合でも、適切な応急措置と迅速な復旧が行える体制を整備します。
 これら施設の高度化施策の実施に当たっては、地域の特性を踏まえ、効果と費用について需用者への説明責任を果たし、社会のコンセンサスを得ながら進める必要があります。

B 持続:地域特性にあった運営基盤の強化、水道文化・技術の継承と発展、需要者ニーズを踏まえた給水サービスの充実

1)地域の実情にあった経営基盤の強化
 コスト縮減をあらゆる場面で行うと共に、地域の実情を勘案して、施設効率、経済効率の良い水道への再構築を図り、持続可能な水道システムを支える経営基盤を強化します。
2)技術者の育成、確保と技術の研究開発
 これまで培ってきた水道に関わる文化や技術を継承するため、水道技術に携わる人材の確保・育成を行います。また、技術開発・研究開発を進め、技術革新と新技術の普及に努めます。
3)情報提供の積極的推進と需要者ニーズを踏まえた効率的な運営
 水道事業体と需用者との相互理解を促進するため、水道事業に関する積極的な情報公開と対話を推進します。

C 環境:環境保全への貢献

 公益的サービスの供給者として、社会的責任を率先して果たす観点から、水道事業者自らが環境保全の目標を立て、省エネルギー、廃棄物の減量化、資源の有効利用等に取り組まねばなりません。地球温暖化防止に貢献するために、「環境にも配慮する」という観点も水道経営に織り込む必要があります。
 健全な水環境の構築のため、利水者と河川管理者、環境保全行政体、下水道事業体等と連携を保ちながら有効な施策を推進していく必要があります。

D 国際:我が国の経験の海外移転による国際貢献

 水道事業者や水道関連企業の有する技術・ノウハウを世界市場に提供し、国際競争力を強化する。
 WHO、IWA等で施策提案や情報発信を行う。

2.「地域水道ビジョン」の作成  平成17年10月17日 厚生労働省健康局水道課長通知

 厚生労働省の掲げた「水道ビジョン」の5つの課題を具体化し、需要者のニーズに対応した信頼性の高い水道を次世代に継承していくためには、各水道事業者が中心となって自らの水道を改善・改革するための取り組みを行うことが必要不可欠となります。
 「地域水道ビジョン」とは、水道事業者が自らの事業の現状と将来見通しを分析・評価した上で、目指すべき将来像を描き、その実現のための方策を示すものです。

1) 作成主体
 各水道事業者
 簡易水道を有する市町村では市町村単位
 水道用水供給事業者とその受水水道事業者は共同制作又は相互に整合を図る
2) 記載事項
 @事業の現状分析・評価 A将来像の設定 B目標の設定 C実現方策の検討
3) 検討期間  概ね10年程度
4) 策定スケジュールとフォローアップ
 @平成20年度頃までを目途とする。
 A策定後は公表し広く周知を図る。
 B目標の達成状況や実現方策の進捗状況について、定期的にレビューし、関係者の意見を聞きながら、必要に応じて見直しを行う。

3.平成21年度予算案

政策の目標

 水道ビジョン(H20年7月改定)に基づく取り組みの推進
 ・災害、危機管理対策の推進
 ・水道事業の運営基盤の強化
 ・国際貢献の推進 等

1)水道水源開発等施設整備費補助の拡充

@ 事業統合を行う場合に条件を満たせば、H30年度までの時限措置として「老朽管更新事業」「重要給水施設配水管」「石綿セメント管更新事業」の補助採択基準を緩和する。
A 基幹管路に布設されている耐震性の低い継ぎ手の塩化ビニル管を「老朽管更新事業」の補助対象に加える。
B 基幹管路における布設後20年以上経過した鋳鉄管・コンクリート管が基幹管路延長の10%以上存在していて、単年度あたり基幹管路延長の1.5%以上または5Km以上を更新する計画がある事業体に、H25年度までの時限措置として、「老朽管更新事業」の補助採択基準を緩和する。

2)簡易水道等施設整備費補助の拡充

@ 同一行政区域内にない水道事業と統合する場合も「簡易水道統合整備事業」の補助を適用する。また、H28年度までに統合する簡易水道事業について、「竣工後10年以上経過した」との補助採択基準を撤廃する。
A H28年度までに統合する「飲料水供給施設」を基幹改良事業の補助対象に加える。
B 「基幹改良事業」で「管路を廃止して新設する事業」について、管路延長距離要件を10%以上に引き下げ、鋳鉄管・コンクリート管の更新については管路延長距離要件を外す等、補助採択基準を緩和する。

3)水道の国際展開の推進

@ 水道産業国際展開推進事業費
 アジアをはじめとする世界の水道の発展に貢献していくために、日本の水道技術・制度等に関するアジアでの現地セミナーおよび水道関係者との政策対話の開催、水道事業のニーズ調査等を実施し、日本の水道分野の国際展開の取り組みを支援していく。

工業用水道 経済産業省

1.経済産業省の「今後の工業用水道事業のあり方」 05.5.30 水道産業新聞

・全国147事業者のうち、料金収入ベースで年間70億円強の赤字を計上している。
・今後10年間を工業用水道の構造改善期間と位置付け、構造改革のための事業者の取り組みに対し国が集中的に支援していく。
 事業者がユーザー等の理解を得た上で、事業改善計画を策定する。適切な計画に対して国が重点的な支援を行う。

事業者が行う具体的な取り組み
  @ 事業の広域化あるいは統合
  A 既設施設の縮小
  B 効率化・合理化のための投資計画
  C 民間委託

国の具体的支援メニュー
  @ 補助金の創設
   連絡管の布設等広域化・統合化にかかる投資
   遠隔監視システムの導入など省力化にかかる投資
  A 企業債の負担軽減
  B 水源施設などにかかる負担軽減
   上水など他利水や治水への転用促進
  C 規制・制度の見直し
  D 雑用水の普及拡大

2.平成21年度経済産業省の「工業用水」関係予算

工業用水道改築事業の新規採択
 茨城県、三重県、福山市

水処理技術の開発
@ 革新的膜分離技術の開発
 河川水等の原水の水処理技術において、微量の有害物質・微生物等の除去を行う一層の省エネルギー型分離膜技術の開発を行う。
A 省エネ型膜分離活性汚泥法(MBR)の開発
 省スペース型の水処理システムである膜分離活性汚泥法(MBR)のバッキエネルギー量の抑制を図るため、省エネルギー型のMBRの技術開発および標準化の研究を行う。

下水道 国土交通省

1.下水道ビジョン2100(水道産業新聞2005.9.8)

 国土交通省下水道部は、2005.9.2、下水道の今後100年の将来像と、それを実現するアイデアを示した「下水道ビジョン2100」を発表しました。21世紀型下水道は、これまでの下水道機能の整備に加え、今後の都市の持続的発展に貢献する健全な水環境と資源循環を創出するものとし、基本コンセプトを「循環のみち」と決定しました。循環のみちを実現させるために、「水のみち」「資源のみち」「施設再生」の3つの方針を掲げています。以下、その概要を紹介します。

1)21世紀社会の姿と下水道の使命と役割

@ 21世紀社会の姿(起こるであろう問題点)

a 地球レベル
 ・地球温暖化と気候変化
 ・エネルギー資源の逼迫
 ・人口爆発に伴う衛生環境の悪化や水資源の欠乏

b 地域レベル
 ・都市型水害の増大
 ・閉鎖型水域の水質改善の停滞
 ・生態系の変化
 ・廃棄物問題の深刻化

c 生活レベル
 ・少子高齢化の深刻化
 ・ライフスタイルの多様化
 ・ユビキタス社会の進展
 ・国際交流の活発化
 ・水辺と地域の関係の希薄化

 このような問題に対処していくには、持続可能な循環型社会の構築により、「美しく良好な環境」「安全な暮らし」と「活力ある社会」を実現していく必要があります。

A 下水道の使命と役割

a 下水道の使命
 下水道の有する多様な機能を通して、循環型社会への転換を図り、21世紀社会における良好な環境の形成並びに安全な暮らしと活力のある社会の実現を目指すことです。 

b 下水道の役割
ア.良好な環境を創造する
1.省資源・省エネルギーを実現する
 ・廃棄物の削減・リサイクル
 ・資源エネルギーの安定供給
 ・温室効果ガスの削減
2.良好な水環境を確保する
 ・水資源涵養の促進
 ・水のリサイクルの推進
 ・水質の改善

イ.安全な暮らしを支える
1.国民の生命・財産を守る
 ・都市型浸水被害の予防・軽減
 ・地震被害の予防・軽減
2.健康な暮らしを守る
 ・衛生的環境の確保
 ・水系伝染病や化学物質等によるリスク除去

ウ.21世紀の活力を支える
1.快適と潤いを創出する
 ・生態系との共生
 ・快適性や利便性の追求
 ・心の豊かさやゆとりへの志向
2.魅力ある地域造りを支える
 ・良好な水環境の創出
 ・地方の自立と活性化
 ・地域間交流・国際交流の促進

B 下水道の使命を実現するには

 20世紀型下水道は「下水の普及拡大」に重点を置き、
  ・汚水の効率的な「排除・処理」による公衆衛生・生活環境の向上
  ・雨水の速やかな「排除」による浸水対策
を目指したものでした。

 21世紀型水道は、これまでの下水道機能に加え、「排除・処理」から「活用・再生」への転換により、美しく良好な環境の形成並びに安全な暮らしと活力ある社会を実現する、「健全な水環境と資源循環」を創出する下水道を目指すものです。基本コンセプトを「循環のみち」としています。
 「循環のみち」を実現させるために、「水のみち」「資源のみち」「施設再生」の3つの方針を掲げています。

2) 水のみち

 水が本来もっている様々な機能を活かす水循環の健全化を図るため、水再生・利活用ネットワークを創出します。具体的には、雨水・再生水・湧水の100%利活用、それらを有効に活用する視点での施設配置計画や活用のための施設変更計画がポイントとなります。

@ 健全な水循環の確保

 雨水は浸透を基本とし、ヒートアイランド現象の軽減や地下水涵養の促進・湧水の復活を期待します。
 汚水の超高度処理により、トイレ洗浄水・洗車・散水等の雑用水利用の促進、せせらぎの復活や親水空間の設置による生活環境の改善、河川の流量を増やすことで清流の復活を期待し公共水域の水環境改善や自然の再生に貢献します。

A サテライト処理場の整備

 サテライト浄水場とは、地域を通る下水道幹線から下水流量の一部を取水・再処理して、その地域の水を活かした様々な用途に利用しようとする構想です。今までの下水道システムは汚水や雨水の処理・排除の効率性のみを重視してきましたが、下水の再生水を流域途中の地域で有効利用する視点から施設の配置転換をする構想といえます。サテライト処理場で発生した汚泥は再び下水道幹線に排出します。
 サテライト浄水場での再生水は、地域の水辺の創出、河川維持水量の増量、生態系保全への働きかけ、水縁コミュニティの形成、ヒートアイランド現象の緩和等に利用されます。

B 住民参加による水縁コミュニティの創出

 下水再生水の有効活用として、河川環境の改善やビオトープ・親水空間の創出等水環境を整備することにより、住民による水環境を利用したレクリエーション活動、福祉活動、創造活動、環境管理活動等様々な住民活動を増やすことにより、良好な地域コミュニティの形成を図ります。

3) 資源のみち

  将来の資源枯渇への対応地球温暖化の防止に向け、資源回収や資源供給ネットワークを創出します。下水処理場のエネルギーを100%自立させる、新エネルギー等を活用するトップランナーをめざす、地域へのエネルギーや資源の積極的供給等がポイントです。

@ 処理場のエネルギー100%自立

 小水力発電やNaS電池の導入等省エネルギー化の推進と併せて、汚泥・生ゴミ・剪定ゴミ等を活用するバイオマス、太陽光・風力発電等の自然エネルギーの利用を通して、下水処理場でのエネルギー100%自立を目指します。

A バイオマス資源回収・活用ネットワークシステムの構築

 地域に張り巡らされた下水管により、汚水・生ゴミ・剪定廃材・家畜排泄物等のバイオマス資源を回収して再生させるバイオステーションの役割や都市排熱の回収により、電力・バイオガス・火力発電用汚泥燃料等のエネルギー供給、リン・肥料等の資源を供給します。このように、下水処理場は水・資源再生センターとしての役割を持つようになります。
1.下水汚泥の減量化
 脱水、焼却、溶融、コンポスト化、乾燥
2.マテリアル利用
 建設資材、肥料等
3.エネルギー利用
 下水道バイオガス:ガス発電、バイオガス燃料
 炭化汚泥(脱水汚泥を乾燥後、無酸素状態で蒸し焼きにする):火力発電所の固形燃料
 油温減圧乾燥汚泥(脱水汚泥を廃食用油等に投入し、減圧・加熱条件下で水分を蒸発させたもの)
 造粒乾燥汚泥(脱水汚泥を5mm程度の粒状に整形し乾燥させたもの)

B 地球温暖化防止へ下水道処理場の貢献

 活性汚泥の活性化に超微細気泡装置を導入し省エネルギーのバッキ効果を図ったり、バイオマス・自然エネルギーの活用、汚泥処理の高温焼却によるN2Oの排出抑制等により、CO2排出量を約53%削減します。

4) 施設再生

 水のみち、資源のみちの実現を支え、新たな社会ニーズに応えるサスティナブルな下水道の構築をめざします。「発生対応型」から「予防保全型」への転換、社会的ニーズに対応した機能の高度化、計画の一体化による効率的事業経営の確立がポイントです。

@ 処理場の防災拠点化による安全なまちづくり

 下水処理場にヘリポート・避難所・非常用資機材や非常用食糧備蓄倉庫を設置したり、処理水による消火用貯水槽の整備等により、地域の防災拠点としての機能を設けます。
 震災時等のトイレ対策として、下水道管路のマンホールに直接接続できる簡易トイレの備蓄します。
 処理場間をつなぐネットワーク管路を設けて、震災時の処理機能や再生水による消火用水の融通性を強化します。

A 下水道施設を活用した地域情報ネットワークの構築

 既存の下水管を活用して光ファイバー網を拡充し、情報ネットワークを構築します。
 生活利便性を高めるため、マンホールに設置したセンサーにより、交通渋滞・豪雨等の冠水状況等の生活情報を提供します。
 下水道経営情報への住民による簡単アクセスを実現し、経営の透明化を実現します。

B 新たな下水道マネジメントの構築

 将来における「サスティナブル(持続可能な)下水道」を実現するため、アセットマネジメントを導入し、施設のライフサイクルコストの低減やサービス水準の保持、投資の平準化を図り、社会や利用者への質の高い情報提供を可能にしようとする考えです。
 アセットマネジメントとは、新規建設・改築・維持管理などにおける支出をライフサイクルコストの観点から最小化し、求められるアウトカムを達成する手法です。
 下水道事業では
1. 建設計画、改良計画と維持管理計画の一体化
2.「発生対応型」から「予防保全型」改築への転換
3. 中長期的な投資判断
という視点がポイントとなります。

 現在、下水道普及率は66.7%に達し、大都市を中心に改築が必要な下水道施設が増加しています。処理開始から50年以上経過した処理場や、15年以上経過した機電設備が急増してきます。大部分の自治体では下水道を集中的に整備したため、改築需要が短期間に集中してきます。これらの対応を怠れば、重大事故やサービスの低下を招き兼ねません。
 こうした状況に対応する策として、アセットマネジメントが提案されました。
1. 予防保全型の改築を行うことで、管渠性能の低下が防止され、日常の維持管理費を安く抑えられる。
2. ライフサイクルコストが最少となる時期に適切な改修を行うことにより、サービスの中断や重大事故の発生も回避できる。
3. 耐用年数を迎える前に一定の施設に対して長寿命化のための改築を行うことで、改築時期がまちまちになり、投資の平準化が可能となる。
4. その効果はアカウンタビリティにも波及し、資産状況、事業計画、事業実施、事後評価などを関連づけた情報提供ができる。

 課題としては
1. 下水道事業におけるマネジメントシステムやコア技術の開発、体系化
2. 計画策定や実行管理を担う人材の確保。有資格制度も考えられる。
等です。

 このビジョンの特徴として、下水道として受け入れるものと受け入れないものを分けています。雨水はこれまでは下水道で受け入れていましたが、今後はなるべく浸透させていく方針です。地下水は下水道で処理しなくてもそのまま利用できる場合が多いので、利用を促します。都市排熱は下水道で集めて冬に活用します。
 また、これまでは下水処理水と言う言葉を使っていましたが再生水に改めており、リサイクルの意識を高めています。

2.下水道中期の整備目標

1) 下水道政策研究委員会計画小委員会報告(07.03.26水道産業新聞)

 地方公共団体には「下水道中期ビジョン」(H20年度から概ね10年間)の策定と、施策を実行に移すための「下水道アクションプログラム」の策定を求めています。

@ 浸水対策
 重点地区について浸水被害の最小化を概ね5年以内に図る
A 地震対策
B 道路陥没事故の未然防止対策

 緊急性が高い管路について5年以内に改築更新する。
C 合流式下水道の改善
 H25年までに170都市において完了させる。
D 公衆衛生の向上・生活環境の改善
E 公共用水域の水質保全
F 健全な水循環系の再構築
G 新エネルギーの創出・省エネルギー対策、資源循環の促進を図る。
H 下水道施設の施設管理
I 施設活用・光ファイバー網の整備

2)国土交通省・社会資本整備審議会下水道小委員会(07.03.29水道産業新聞)

@ 下水道の位置づけ
 雨水については貯留浸透施設等雨水を最適に管理するための施設、汚水については下水道が集めた資源・エネルギーを再生・活用するための施設を下水道施設として位置づけました。このような新たな下水道の役割が下水道法に明確に位置づけられていないことに対する回答のようです。
A 汚水処理の目標
 汚水処理の目標は、長期的に下水道、農業集落排水事業、合併浄化槽などにより100%の普及を目指します。
中期的には、市街化区域や水質保全上重要な地域において概ね10年で整備を概成します。
B 地域の最適解の達成
 地方の事業体は人口減少を踏まえた計画の見直しや、既存施設の活用・統廃合を含めた事業体にとって最適な汚水処理計画を作成します。関係省庁は連携して事業体を支援する制度を準備します。

3.下水道事業の平成21年度予算(案)

@ 下水道浸水被害軽減総合事業の創設
 下水排除面積が政令市1ha以上、一般市0.5ha以上、町村0.25ha以上の貯留・排水施設の整備が補助対象
A 下水道総合地震対策事業の創設

 ・地区要件として人口集中地区(DID地域)を加えた。
 ・高齢者・障害者など要援護者関連施設と終末処理場とを接続する管渠の耐震化を補助する。
B 世代下水道支援事業制度の拡充
  H24年度までの時限措置として、下水処理を利用した小水力発電に必要な施設(200Kwh/日以上の発電可能量が見込まれるもの)が補助対象となる。
C 下水道未普及解消重点支援制度の創設
 人口の集中している地区を対象に、汚水管渠の補助対象を拡大する。
D 国際支援
 途上国等における持続可能な下水道システムを提案・普及させることを目的とした「グローバルセンター」の活動に必要な人材、技術などの情報共有プラットホームを構築する。

2006.06.17 「下水道ビジョン2100」の記述を全面改定しました。
2007.05.08 上水道の項で、「5.厚生労働省の2007年度水道関係予算」を追加しました。下水道の項で、「1.国土交通省の下水道関連重点施策」を削除し、「2.下水道中期の整備目標」を追加しました。
2008.01.09 上水道・下水道の平成20年度予算の概要を記載
2008.01.24 上水道及び経済産業省の「水関連予算」の概要を追加記載
2008.03.16 下水道ビジョン2100のうち、3)Aを加筆
2009.04.08 水道、工業用水道、下水道のH21年度予算案を記載。水道ビジョンの内容をH20年7月改訂版にあわせ一部改定